東アジアの平和実現のために

「東アジアの平和実現のために」報告原稿

2013.11.9 「東アジアの平和実現のために」報告原稿

福井県AALA 理事 北出芳久

《スライドNo.1》

日本から来ました福井県AALA、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の北出です。

アジア平和文化交流の会・韓国の3周年記念集会、おめでとうございます。

また、この集会に私たちをお招きいただいたことに感謝申し上げます。

さて、私はAALAすなわちアジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の立場から、「東アジアの平和実現のために」というテーマで、報告させていただきます。

《スライドNo.2》

はじめに、アジア、特に北東アジアの平和が脅かされている現状をいくつか取り上げます。

第一に、歴史認識の問題です。

ここでは、日本政府の歴史認識が問われる問題として、政府高官の靖国神社参拝と日本軍「慰安婦」、強制徴用・強制労働の三つの問題だけ取り上げました。

あのアジア・太平洋戦争遂行の精神的支柱であった靖国神社に政府高官が参拝することは、過去の戦争を正当化するものであって、許されるものではありません。韓国政府と中国政府が厳しい批判を行ったのは当然のことです。

また、日本軍「慰安婦」問題では、橋下徹日本維新の会共同代表が「銃弾が飛び交う中で、慰安婦制度は必要だった」と、発言をしました。日本ではこれをきっかけに、政治家たちが元慰安婦の方々を侮辱するこの種発言を繰り返しました。これに対して、元慰安婦と支援する人々の日本政府による「謝罪」と「補償」を求める水曜デモは、全世界に広がっています。

アジア・太平洋戦争中、強制労働させられた韓国人労働者が三菱重工や新日鉄を相手に損害賠償を請求していた裁判で、韓国の裁判所から相次いでその強制性と損害賠償を認める判決が出されてきました。これまで1965年の日韓条約と協定を理由に、一切を認めてこなかった日本の裁判所と日本政府の責任が問われます。

これらの事例は、いずれも日本が過去の侵略戦争と植民地支配を真摯に反省し、戦後責任を果たすかどうかを問われる問題です。

《スライドNo.3》

東アジアの平和を危うくしている二つ目の問題は、日本と韓国・中国・北朝鮮との間の領土問題と紛争です。

日本と韓国は、竹島(韓国名の独(ドク)島(ト))の領有権をめぐって、また日本と中国は尖閣諸島(中国名では釣魚島)の領有権をめぐって争っています。また、日本と北朝鮮との間には、核開発・ミサイル・拉致問題があります。

領土問題の困難は、一つは、日本政府が「領土問題は存在しない」という立場を取り続け、話し合いをしようとしない点にあります。

同時に、仮に話し合いが始まったとしても、日・韓・中を含むこの地域には、話し合いのルールがないという困難があります。

北朝鮮の核開発、ミサイル問題では6ヵ国協議の舞台で話し合われていますが、なんのルールもないため北朝鮮に圧力を加えるか譲歩するかという話になってしまいます。拉致問題にいたっては、日本政府はアジアに背を向けて米国に頼みに行くという始末です。

一触即発を招きかねない領土問題や核戦争の火種となりかねない核開発・ミサイル問題を話し合いで解決する道が求められています。

Author: asiapeace