中国民間・アジア平和、文化交流の会」創立

はじめに、東日本大震災の復興と韓国の海事警察と中国漁民との衝突事件の1日も早い解決を心から祈念します。

「中国民間・アジア平和、文化交流の会」創立に、「アジア平和文化交流の会・韓国」、「アジア太平洋・平和文化フォーラム」をはじめとする海外や国内の友人たちの注目、励まし、支援に心から感謝の意を申し上げます。

今、第二次世界大戦より66年も過ぎ去りました。

私達が恐ろしくまた苦痛なこの戦争を思い出す時、もしもこの戦争の起因と苦痛の源を無視するならば、

それは歴史をただ過去の一記憶あるいは文書上の認知のみとなり、この忌まわしい戦争が私達に持たらした精神的な傷と陰を癒すことはできません。

戦争の悲愴や残虐さの内容表現を弱めても、この歴史を塵にまみれさすことはできません。

第二次世界大戦は過去となりましたが、侵略、植民支配、強権の過ちを認めることを拒み、歴史の真実を歪曲するさまざまな弊害は、依然として一掃されていません。

今は表面的に平和な世界のように見えても、至る所に戦争が残した傷跡が見られます。

もし侵略戦争への認知が、その民族の現代の道徳水準を表現しているとすれば、第二次世界大戦を起こしながら、

今日の日本政府の態度とそれを支持する人々には、道徳と人間性の遺失が潜在していると言わざるを得ません。

第二次世界大戦では、5700万人の尊い命を失いました。

その中で、最も災難が深く受難者数が多いのが中国です。この戦争が中国人民に持たらした苦痛と心の傷は、いまだに癒されていません。

これは中国人民の被った苦難の記憶があまりにも深いためだけではなく、この災難を引き起こした日本に今なお、

戦争へ懺悔の誠意が不十分な上、態度曖昧し、深い反省とはっきりした実行が有りません。

真実は言葉ではなく、その態度と行動の中に表れることを忘れてはなりません。

歴史を忘れることは裏切ること、とよく言います。

どういう形で歴史を銘記するかは、一人一人私達の課題です。人類は第二次世界大戦を忘れることができません。

それは、人類の有史以来最も悲惨な戦争だったためだけではなく、この戦争を引き起こした背景にある政治とその「精神遺産」が、今なお知らず知らずに国際構築に影響を及ぼしているからです。

60余年が過ぎましたが、世界反ファシスト戦争の勝利を「過去の歴史」にするのではなく、

この戦争体験を私達の現在と未来の啓発の出発点とし、この歴史を正面からとらえ積極的に思考展開をすることが、本当の平和と心の安らぎを得られることになるはずです。

人々は、平和、交流、理解による楽しさや、豊かさに恵まれる時にこそ、戦争、衝突、暴力を克服するための努力をする責任と義務が有ります。

これは、知恵と感情の持つ人類が必ずできることです。その努力によってようやく人類が、最もすばらしい最も幸せな生活を迎えることができます。

私達は、中国にも「中国民間・アジア平和、文化交流の会」という民間平和組織を発足させたいと考え、準備を進めました。

より多い有志者の参加を呼び掛けます。

そして民間レベルでの戦争への反省を促進し、加害国と被害国の間の交流そして和解をすすめます。

戦争と暴力に対する深い反省に立って、恒久平和の構築をめざします。

寛容、正義、光明を呼びかけて、未来への展望を開きます。

私達はアジア・太平洋地域の公民として、共同生存を追及し、過去を直視する立場でこそ、平和で且つ美しい未来を希求できると確信します。

                     呉先斌(中国南京民間抗日戦争博物館館館長)

Author: asiapeace